第8章 【日向翔陽】天才と太陽
今だってこんな情けない私を助けてくれようとしている。
「信じていいに決まってんだろ!!」
そう日向が発した時は頬にひと粒の涙がつたっていた。それをきっかけに次々と涙が零れていく。彼の笑顔と言葉はやはり暖かくて眩しい。私には勿体無いぐらいだ。彼の暖かさ。私の情けなさ、心の醜さ。愚かさ。呆れ過ぎて苦笑いさえ出来ないや。
涙で視界が歪んでいく。何も見えない。拭っても拭っても止めどなく出てくるこれをどうやって止めればいいのか分からない。
「おい、、な、泣くなよ?!」
「泣いて……なんか…ない、もん」
「いや、どう見ても泣いてるじゃん」
泣いてることなんてどう見たってわかるよ。只、認めたくなかっただけ。努力してきたのに退化したなんて。シャクリ混じりの声が気持ち悪い。うまく呼吸もできないし。今、すっごい変な顔してるんだろうな。
「びな"だ〜……。」
「何言ってんのか分かんないよ。、一回落ちついてから話さない?な..?」
「……」
無言で縦に小さく頷いた。すると日向の手が背中へ回ってきて擦ってくれた。よしよーしなんて言われながら。子供じゃないんだから。全く。でも、落ち着くな。
私が泣き始めてからもう、10分ほど立った頃だ。もう、涙も引いたし、呼吸も安定している。もうそろそろ頃合いだろうか。ふと隣にいる彼を見た。大丈夫、まだ起きてるみたい。
「ねぇ、日向」
「ん?……何?」
「相談したいことがあるんだけど、」
「お!やっと話す気になった!!」
「う、うん」