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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第8章 【日向翔陽】天才と太陽


言った本人は気が済んだのかさっさと去って行ったが、私は只々怖くって怖くって怖気づいて固まってその子の背中を見つめることしか出来なかった。
もちろん反論しようとしたんだよ?でも、声が震えて掠れて出てきてくれなかった。


その子が完全に姿を消したあと何故か私は一瞬緊迫から開放された。だがしかし罪悪感もあとから付いてくる。


私はまた人を傷つけたのか。


そう思うと胸のあたりが締め付けられ息ができなくなるほど苦しくなる。私の脳は影山みたいな脳筋じゃないから思ったことを何でも言えない。部員の気持ちすらよく分かってないのに私が傷つくとかって情けないよね。


だからもう人は傷付けないってって心に深く誓ったんだ。」



話終わると体育館に沈黙が流れる。私は緊張感を生むこの冷たい雰囲気が嫌いだ。いつ切りだそうか迷っていたら先に日向が口を開いた。


「それって只々さ、の才能に嫉妬してただけじゃないの、」
「え?」
「だって、上手くなる奴は自分より上手い人をお手本として練習していくでしょ?だけどまともに練習しないであまりうまくないんならそれはただ単に練習不足。そう言う奴が上手い人に向かって皮肉とか嫌味とか言うんじゃねーの?」
「それは!!……そうか、も、しれない、けど」

話すことが辛くて文が途切れる。



「だからそんなに怯えなくて良いんだよ!!」


そう言ってニカッと笑う彼。その明るい笑顔が暖かくて私の
汚い心を包んでくれる。



彼は私の太陽です
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