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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第8章 【日向翔陽】天才と太陽



なんて言って腹部辺りを押されて唸る日向。
なんだかんだ言ってノリは良いし普通に話したら少し五月蝿いが、まぁ、楽しい。

けど普段はあまり話さないからな。何せ会ったときの第一声が「トスあげて!!」だもの。変人扱いしたって別に良いでしょ。そう言えばなんで私なんだろ。影山でもいいんじゃない?悩みながらご飯を口に含んでモグモグと噛み砕く。量が多すぎて中々飲み込めない。頬がパンパンだよ。口が空っぽになってから聞こう。
目線を日向に戻すと彼は目を輝かせていた。まるでしっぽを降る子犬のようだ。そんな目で見たって何も出てこないんだから。まぁ、彼は無意識なんだろうけど。



「なぁー!!」
「あのさ、ずっと気になってたんだけど」
「トスOKー?」
「話を聞け、」
「はい。」
「何で私なの?影山は?」
「今日休み。と言うよりいつも自主練って言ってあげてくれない」
「え、あ、そうなの……だから毎日」
「だからトス。」
「先輩か他の子にあげてもらえばいいじゃん」
「だって、3年生の教室行くの怖いし、他にうまい奴いないし、大体、女バレのセッターじゃん!!」
「それは、そうだけど」
「じゃあ、いいよね。」
「う"っ…分かったよ」
「おっしゃぁあ!!!」
「はぁ……。」



日向の視線に耐え切れず渋返事をしてしまった。はたまに威圧感を放つから怖い。気づいているのだろうか。当の本人は一瞬にして元に戻ってしまう。



「体育館行こうぜ!!」
「……」



無言で嫌々頷いく。あぁ、折角の私の有いつの休み時間が、台無しに…。楽しみを奪った罪は大きいぞ。大好きなハンバーグを無理やりほ頬に詰め、彼を睨みながらお弁当を包に戻す。それなのに日向は睨まれていることに気付かない。鈍感め。後でアイス奢らせてやるんだから。はぁ、と溜息を一つ零し席を立った。

見るからに嬉しそうな彼。そんなにトスを上げて貰えることが嬉しいのか。鼻歌なんて歌ってるし。こっちはそんな気分じゃないのに。重い足取りで体育館へと向かう彼について行っていく。
着いてみれば使い慣れた体育館。第一体育館だった。


「よっしゃぁ!!やるぜ!!」
「うっさい、喋るな、てか第二体育館じゃないの?」
「おう!」
「なんで?」
「何でって、女バレはいっつもここ使ってるだろ?だからこっちのほうがやりやすいかなって」
「.…どうも」

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