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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第8章 【日向翔陽】天才と太陽


「〜!!」

またか。毎日毎日しつこいな。
昼休みになると必ず4組を覗きに来るオレンジ色の髪の男子。しかもうるさい足音付き。こっちはゆっくり休みたいのに。


呆れながら弁当の蓋を開けた。中からは食欲をそそる匂いが私の周りに立ち込める。そのおかけでグゥーと胃が音をたてた。恥ずかしいけど早く食べたいから気にしない。朝から何も食べてないから胃がスッカスカなんだよね。
箸を右手で持ちパンッと手を合わせた。


「いただきまーす」
「、ー!!聞こえてないのか!!」
「……チッ」


あまりのしつこさに思わずの舌打ちが出る。苛ついてハンバーグに勢いよく箸を突き立てた。我慢。我慢よ。どうせすぐ諦めてどっかに行くんだから。そう考えていたら「失礼しまーす!!」と言う声が耳に入った。嘘でしょ?きっと空耳よね…他の人が入ってきたに違いない。
「おーい」という声に思わず振り向けば私の願いは打ち消された。今目の前には机に手を付き私を見下ろす彼。なんで。いつもは諦めて帰るのに。


「なぁ、!!」
「何」
「トスあげて!トス!!」
「しつこいな。本当。あげないって言ってるでしょ!!」
「何でだよ」
「今休み時間だし、ご飯だべてるでしょ?見て分からない」
「そんなこと分かってるけど、飯なんてかき込めばいいじゃん」
「少しは休ませて」
「トス!!」
「会話が成立しておりません。お帰り下さい」
「Ok貰うまで帰らねぇーよ!!」
「しつこい」


どれだけ冷たく言い放っても一歩も怯まない彼。と言うよりグイグイ言いやられて私が怯んでるかも。目から溢れてしまいそうな大きな瞳は私を捉えて離してはくれない。眼力が恐ろしい。男なのにどうしてそんなに目が大きいの。見るな。

私は目を逸らし無言で弁当を食べ進める。大好物のハンバーグを口に頬った。チーズと肉の風味が口いっぱいに広がる。うん、美味しい。じんわり余韻を楽しみながら他のおかずにも手を付ける。急いでかき込で食べたって美味しくないでしょ。

「いーな美味しそう」
「自分のお弁当あるでしょ」
「今日購買のパンだけしか食ってねぇ」
「それで足りるの?男子なのに」
「おう!焼きそばパン3っつも食べた!!」
「うぇ、考えただけで気持ち悪い」
「酷!!」
「胃もたれしそう」
「うぐぐ……急に気持ち、悪く……」
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