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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第5章 【月島・山口】幼馴染


あれから1時間ほど暇を潰していたがもう体力が限界だ。長い列をなして人に囲まれていて蒸し暑く風も吹かない。日陰が無い中照りつける太陽は私達の体力を徐々に奪っていた。おまけに汗をかいてシャツが肌に張り付く。気持ち悪い……。


「あ〜疲れた。気持ち悪い!!喉乾いた!!」
「もう少しで店に入れるんだから我慢しなよ。」
「えー。」
「あ、俺……うちわ持ってるから扇ごっか?」
「それを先に言ってよ」
「だって忘れてたから……アハハ」
「山口、扇いでお願い。」
「あ、蛍ずる!!さっきは我慢しろって言ってたのに!!」
「さっきはさっき、今は今だよ」
「じゃあ、私もお願い!!」
「はいはい」

そう言うと山口は鞄からうちわを2つ取り出して2人を仰ぎ始めた「涼しい?」って笑ってくれるけど実際は忠が一番辛いんだよね。悪い子としたなぁ。

「忠、私が仰ごっか?」
「い、いいよ!!俺がやりたいだけだし」
「まぁ!なんて優しい子!!」
「……」
「引かないで。」
「キッモーイ」
「だから引かないでよ!!てか嗤いながら言うな、ムカツク!!」
「アハハ、冗談冗談……………んなわけ無いでしょ」
「え」


「お客様!」


「おい、二人共。言い合いするなよ!俺達の番来たよ!」
「あ、本当だ」


忠に言われ列を見た。私達がトップ。店に入れば先程の会話を聞いていたのか店員が眉をへの字にし苦笑いしていた。後ろを振りまけば不機嫌な顔が幾つも。相当うるさかったんだろうか。少し罪悪感を持ってしまう。
そんな中店に足を一歩踏み入れる。


「寒っ」

ボソッと呟き身震い一つ。
外の様な猛暑とは違い冷房が効いていて涼しいが、さっきまでかいていた汗が急速に冷める。
冷えた汗は体を冷やし著しく体温を下げた。
寒いなぁ。早く冷房に当たりたいとは思ってたけど流石に温度、低いよ。我儘だとは分かってるけど。


店員について行き席を通される。
そして、4席あるテーブルに蛍と忠が向かい合わせに座り私は忠の隣に座った。 



「俺飲み物取りに行くけど何か居る?」
「じゃあ僕はレモンティーで」
「私はホットミルクで」
「……ホットミルクか?あるかな。てか寒いの?」
「うん、ちょっとね」
「少し待ってて」
「?」
「はい!」

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