第5章 【月島・山口】幼馴染
二日後。
清潔感のある真っ青の空。強い日差し。昨日とは違う清々しく冷たい風。
なのに私達に突き刺さる大勢の視線たち。
この二人と並んでいるからだろうか?
現在、約束したケーキ屋さんに向かっている。二人に挟まれ歩いているがどうも視線が痛い。この二人がイケメンだから?蛍も、忠も、高身長で格好良くて。おまけに私服センスもいいと来た。かっこ良すぎでしょ。
「ねぇ、なんかすっごい見られてない?」
「そうかな〜?」
「ただの勘違いじゃない。」
「だ、だよね」
「はああ」と苦笑いして俯いた。すると不意に耳が何かに挟まれる。その瞬間無音になった。そして、「ピッ」っと鳴ったと思えば急に音楽が流れ始めた。蛍のへッドフォン??
何だ何だと思いせっかく付けてもらったがそれを外す。
「な、なに?!いきなり……」
「別に」
そう言ってそっぽ向く蛍。
れに何故か反応して山口も入ってきた。
「え、どうしたの?何かあった!!」
「山口には関係ない」
「え!!」
理不尽だなーなんて感じつつヘッドフォンを耳にまた付ける。さっきとは違う聴いたことのない曲。何だかこの曲、聴いていて楽しい!!……頬が緩み思わずニヤッと笑みが零れる。今、すっごく顔気持ち悪いかも。
でも、どうしてかしてくれたんだろ?
は月島のさり気ない優しさに気付かなかった。実は元々彼も視線を感じていて不愉快過ぎて顔が歪むぐらいだった。しかし話し掛けられたとき、気付いた。の、表情が曇っていることに。それが気に食わず少しでも彼女の気持ちを紛らわせようとして行った行為なのだ。
駅付近に差し掛かると人だかりが更に増した。田舎なのにどうして。納得できずに少し剥れる。混雑の中に混じり店に向かえば、これまた店も大混雑。ここまで人気あったなんて知らなかった。
店はケーキ屋なんて言うからもっと女の子らしいのかと考えていて2人に悪いとは思っていた。
しかし、結構小洒落た雰囲気で大人でも入っていけるような雰囲気でだった。
「混んでるね」
「しょうがないでしょ、オープンしたばっかだし」
「私、あの人混みのせいで酔ったかも」
「俺もちょっと…」
「何言ってんの、行きたいって言ったのでしょ?」
「はい、そうです。」