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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第5章 【月島・山口】幼馴染


バサッとかけられたのは忠が着ていた半袖
パーカー。吃驚して彼の方を見たら彼は微笑んで「これを使って」と言ってドリンクを取りに行ってしまった。また気を使わせちゃったかも。

「僕の前でイチャツクの辞めてよ」
「いちゃついてないから」

「そういえば忠って蛍とつるんでるから悪く思われがちだけど凄く優しいよねー」
「僕のせいみたいに言わないでよ」
「え、蛍のせいでしょ?」
「は?」
「すみませんでした」

チラッと蛍の方を見たら眉間に少しシワが寄っていて不機嫌そうで。少し怖くて謝罪が片言になってしまった。ケーキでも頼んで機嫌直してもらおっかな。

「あ、あのさケーキ頼まない?」
「何でいきなり話題を変えるの。まぁ良いけど。」

ケーキの話を出した瞬間彼の眉間が緩んだ気がした。メニューを渡せば直ぐさま開いて何があるか確かめている。ホントにケーキ好きなんだなぁ。少しワクワクしているように見える。女子か。

「は何頼むの」
「私は考え中ー、蛍は?」
「ショートケーキ」
「んー、えっと、じゃあ、私はチーズケーキで!!」
「俺はフルーツタルト!」


不意に耳元から楽しげな親しい聞き覚えのある声が聞こえてきた。隣を見れば間近にそばかすがあるアホ毛の彼が居た。


「いつ戻ってきたの……忠」
「ん、さっきから居たけど?、と言うより気付いてなかったんだ……アハハ、」
「何でさっき止めてくれなかったんだよぉー!!」
「だって楽しそうだったし」
「てか、近い」
「あ、ぁ、ぃぇ、あ、ごめん!!!」
「いや、大丈夫だから、落ち着きなよ」


瞬時に飛び退き頬を真っ赤にさせあたふたして必死で頭を下げ続ける忠。私、怒ってないのにな。山口の様子を見て頭を唸らせている。その頃月島は皆のケーキを頼んでいた。


「蛍ぃい!!忠をどうにかして!!」
「ケーキ頼んどいたから」
「お、ありがとう!……じゃなくて!!忠を!!」
「うるさい。周りに迷惑でしょ。山口もそんな事で慌てるなよ」
「ご、ゴメンツッキー」


月島の言葉で少し沈んだが落ち着きを取り戻した山口。忠のアホ毛が少し下がって居るのは気のせいだろうか。何だか触覚みたいと毎回思う。と言うより今回のやり取りで忠は蛍に手懐けられてるんだと云うことが分かった。別に分かりたくもなかったけど。
そうこうしてる間に注文したケーキが届いた
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