第1章 君と出逢った日。
(誰が落としたんだろう、こんなダサイやつ。)
拾う気すら起こらないダッサイピン留め。
でもなんだか、とても懐かしい感じがした。
小さい頃に気に入ってたピン留めに似てるからかなぁ、、、?
ピンを拾おうと手を伸ばすと、頭上から声がした。
「あの、それ俺のなんだけど。」
少しイライラしてるような、男子の声。
「あっ、、、ごめん 落とし物かと思って、、、」
精一杯の作り笑いで見上げた先には、見た事も無い背の高い男子。
でも、うちの学校の制服を着ていた。
(こんなヤツいたっけ、、、?)
そう思いながら、手に持っていたピン留めをわたす。
「サンキュ。」
全く心のこもっていないお礼をした後、そいつは私の手から、ひったくるようにピン留めを奪って行った。
(何こいつ、感じわるっ、、、)
なんか言い返してやろうと思った時、丁度、掃除終了のチャイムが鳴った。
こいつに何か言い返すより、早く掃除を終わらせたい。
そう思った私は、そいつを置いて理科準備室を後にした。