第1章 平凡腐女子ですよ
ーーお前を私の世界に呼ぶ理由には、戦闘が絡んでくるんだが…ーー
吐血…
「ま、魔法…」
ーーまあ、前線ではないがなーー
「支援・防御魔法特化した人でお願いします」
よかった…下手に攻撃魔法とか使えるとトラブルに巻き込まれる気がする…
ーークスクス…わかった。最後は魔法だな。…お前を送る前に伝えておく事があるーー
「はい、もう何でも聞きますよ」
ーーそう投げやりになるな。でだな、私の世界では私は干渉ができない…助言は出来ても手はだせないのだ。そんな中、厳重に隔離していたはずの魔王の卵が盗まれてしまったーー
「魔王の卵?」
なんですか、その可愛らしい感じは。
ああ、でもやっぱり魔王絡みなのですか…
ーー卵といっても、魔力は凄まじい。濃縮された魔力が殻の中に詰まっていて、普通の人間では触る事もできないぐらい瘴気が漏れていたのだ。…だから我は国に命じた。ーー
長い説明になりそうだが、自分の今後の運命に関わる事なので真剣に聞くが…厨二な話だなぁ…
ーー名のある剣豪、魔術師などが集い、学園を建てた【王立シシリア学園】に卵を匿ってくれと。学園長の側が1番安全だと確信があったからなーー
「え、でも盗まれちゃったんですよね?」
ダメじゃん園長
ーー流石の名君も、老化には勝てなかったのでな…ーー
ごめんなさい、顔も知らない学園長!おじいさんだったのか。
ーーちょうど、学園長が亡くなる瞬間、厳重に監視し保護魔法も重ねていた魔王の卵に一瞬だが隙ができた。ーー
学園長が施していた魔法がきれたのか。
ーー気づいた時には遅く、無くなっていた。慌てて学園の先生達で学園周辺に広大なバリアを巡らせた為、外に持ち出された様子はないーー
「バリアーを貼る前に、逃げ出したんじゃないのかな?」
あり得ない話じゃない。
ーーいや、外には持ち出されていないーー
「断言できる、理由を教えて下さい。いまいち私には理解しずらくて…」
ーー…盗んだ輩は直ぐに捕まったのだよ。ーー
なら何故私が呼ばれる?
ーー魔王の卵に最悪な呪いをかけてなーー