• テキストサイズ

【BL】私、男になって魔王拾っちゃった

第2章 踏んだ記憶はゴザイマセン


「ずっと思っていたんだが……」

何ですか?私の事ですよね?
そんな表情も素敵ですよアル君。

「…その喋り方…お前は、オカマなのか?」「違います、れっきとした男です」
直ぐさま否定する私に

…そうか

と一つ返事をすると、後はまた質問攻めがはじまった。

今は男なんだから、言葉使いは気をつけないと…と気を引き締る。



アル君の質問は『出生はどこだ』や『所属学院はあるのか?』や『名はなんだ』と聞かれたので、全て正直に答えましたよ。日本の情報でね。
案の定
「…オレの知らない地方があるとは…」と困り果てていた。

「とりあえずイオリ君、その魔王から出てる瘴気ってどうにかしたりできます?」
教頭がアル君の質問攻めを中断し、ニッコリ言ってきた。
名前はさっきの時に『イオリです』と答えていたので、聞いていたのだろう。本当の名前だと女なので、少しだけ変えて答えておいた。

瘴気ね…私にどうにかできるのかな?
試しに声かけてみるか…

「えっと、魔王さん?瘴気って消してくれる?」

と、きくと。私の顔を赤い目が見つめてきた。

「…やー」ぷい

いや、可愛いけどさ。嫌って事なのは分かった。

「ね?お願いします」
ぷい
「魔王さん、いや魔王様ー」
ぷい
「何でも言う事ききますからー」
何を言っても、顔を横にそらすだけだった魔王が最後の言葉には目をランランとさせた。
「何でも…一個だけね」
ちょっと怖くなった私は、回数を限定にしてみた。
「あい」
あ、OKなんですか?
よかったー。
「あい、うー!あうあう」
ほらほらと、赤ちゃんの手が私を呼ぶ。
ん?近くにきて欲しいってことかな?

さっそくお願い事をする様子の魔王様に、半笑いで近寄ると。

ギュッ!
と鼻を掴まれた。
赤ちゃんと言っても魔王な為か、力の強い。
「痛い!いたた…んむ?!」
と口を開いた瞬間に口になにか押し付けられた。

おい、待て。

落ち着け私…

「んー!!!んんんー!(はなせー!)」

私の口に顔ごと突っ込んできたのだ、魔王は。
小さな顔を、大人の空いた口に突っ込むなど…
さながら、私が赤子の顔を食べているような様子だ。

ンムンムやってると、何か腹の下の方からスッと何かが抜ける様な感覚がした。
それと、同時に魔王が鼻まで突っ込んでいた自分の顔を、私の口から抜いた。
/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp