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次元の果てまで。【七つの大罪】

第2章 私の居場所は


「…よし、ルシウスは寝てるね?」
「…ええ、ぐっすりと。」
「じゃあ、行こうぜ。」

夜更け。うとうとしていると、3人のお父さんは布団から抜け出して鎧を着け始めた。

「…う…お父さん…?」
「「「っ!?」」」

眠い目を擦りながら3人に問いかけると驚いたように振り向いた。

「何処行くの…?」
「…ちょっと仕事にいくだけだよ。」
「そそ。大人しく寝てろよ。な?」

ゴツゴツした鎧の手でヘンドリクセンに撫でられる。痛い。

「そう…頑張ってね。」

ひらひらと手を振ると3人は静かに出ていった。

「…なんてね。」

いや、こんなに怪しいのにはいわかりましたって待ってる訳ないぞ。
お父さんに鍛えられてるから気配を消すことだけは上手いのさ。
ベッドからするりと抜け出し、鎧をガチャガチャ言わせながら歩くお父さん達の後をコッソリとつける。

「…っ。」
「…どうしました兄さん?」
「いや、何でもない。」

…気づかれたかと思った。
本当に慎重に後をつけていく。
―ついた先は…

(え、会議室?こんな夜遅くになんで…?)

人が入って来ないのを確認すると、耳を扉に近づけた。

「…それでは、会議を始める。」
「議題はサーシャ・ワンナイトの1人娘であるルシウス・ワンナイトについてだ。」

―私?

「…ルシウス・ワンナイトだが、父親が不明。サーシャはそれについて固く口を閉ざしていた。」
「父親について、サーシャの家を探していた所、サーシャの日記が見付かった。それによると…」

…ルシウスの父親は、魔神族らしい。

(…え?いやいやいや、ちょっと待って。嘘でしょ?だって、設定では魔神族が出てくるのって確か…バンデット・バンが初めてでしょ?まだ先の話じゃん!どうなってんの…)

「魔神族の力は巨大だ。上手く使えれば我ら聖騎士の力が遠く及ばぬ所の力がてにはいる。しかし…」
「彼女はまだ少女。力が暴走すれば、国が滅びてしまうかもしれないです。」

お父さんの声だ。

「ふむ…貴様はどう考える、ドレファス?」

…彼女を、ワンナイトを、殺す他、道はないでしょう。

(…忘れてた。ドレファスもヘンドリクセンもお父さんも、聖騎士だった。もし、私が魔神の血が入っていれば…殺す他無いんだ。)
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