第1章 あなたという光
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「そうですか、分かりました。まぁ、元はと言えば、僕が泥まみれになったのは、あなたのせいですからね」
そう意地悪く返すので精一杯。
「もう、エストの意地悪!だから、私はエストが大…」
大好きと続くであろうその言葉を遮るようにキスをした。
☆☆。
言葉ではまだうまくあなたのようにこの想いを伝えられない僕ですが、あなたの想いに負けない位、僕もあなたが大好きなんです。
そんな想いを伝えたくて。
「えっ…え、え、え、………エスト!!」
「さぁ、行きますよ?夕飯に遅れてしまいます」
慌てるあなたの手を引いて歩き出す。
僕があなたを連れて行こうとするこの道は、決して平坦なものではないけれど。
こうして繋いでしまった温かい手を、もう離せそうにはないから。
魔王の花嫁になる覚悟を、早めにして置いてくださいね。
「☆☆」
「なに?エスト」
だから、一度だけ、小さく呟いた。
「………好きです」
多分あなたのそれよりも、もっとずっと。
これから先も、ずっとずっと。
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エストのちょっと意地悪な所が大好きです。
本当は優しいのに、可愛げのない言い方をする所も、
好きで堪らないです。
そんなエストが少しでも表現出来ていたら嬉しいです。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
また別な作品で、お目にかかれましたら幸いです。
2014.11.21