第5章 【青春は、死ぬまで終わらない】
「…セクハラ…」
「本当は嬉しいんじゃないのか?」
ん?とニヤニヤ笑うガイさんは、正にセクハラおやじだ。しかし、そんな彼も大好きな私は、本当にどうかしてるのかも知れない。
「ガイさん、大好きですよ」
「オレもお前を愛している」
ちゅっ、と音を立ててキスをする。
私の初めてのキスの味は、ほんのり苦いお酒の味がした。
………翌朝のこと。
「ガイ先生ーっ!」
「おぅ!お前達か!今日も清々しい朝だなぁ!!」
「そんな事よりも、アレスは!?アレスとはどうなりました!?」
「アレスならオレの隣に居るではないか」
そう言われて、テンテンさん達が視線を私に移す。
「…えぇーっ!?このブロンド美女がアレスだって言うんですか!!?」
「確かに…このチャクラはアレスのものだが…いや、しかし…」
「どうして一晩でここまでの変化を…?」
驚愕の声を上げるテンテンさんに、白眼を発動して私の体を隅々まで見るネジさん。
体の内部を見られるのは妙な気分だなぁ、内臓は綺麗かしらとどうでも良いことを考えていた私は、リーさんの心配そうな声色に現実に引き戻される。
「えっと、夢野一族は好きな相手と結ばれると細胞が変化して、その個体特有の体質変化が起こるんです」
黒だった髪は金髪に。
お世辞にも豊かと言えなかった胸は、体型に張りをもたらした。
「どうしてそんな事が起きるの?」
「植物が、子孫を残すために花を咲かせるのと同じことかと」
「お前が言うと、妙に生々しいな…」
呆れた表情のネジさんに、ガイさんは大きく口を開けて笑った。