第5章 【青春は、死ぬまで終わらない】
「ガイさんの人生に、私を連れ添わせて下さい」
ガイさんの言うとおり、いつか寂しく思い出に浸る日が来るのかも知れない。
でも、必ず来る離別の日よりも、今あなたの傍に居られない寂しさの方が辛い。
一番近くで、あなたの青春を感じていたい。
きっとガイさんの青春は、死ぬまで終わらないから。
「───アレスッ!!」
突然、ガイさんが唸ったかと思うといきなり大声で私の名を読んだ。
「は、はいっ!?」
「すまんっ!!」
ガシィッ!!と両肩を掴まれて、ガイさんが頭を垂れて謝ってきた。
……私の思いは、届かなかったか……
目頭が熱くなり、再び涙で目が潤む。
振られて醜態を晒すまいと涙を堪える。恋に生きる夢野は、散るときも潔くなければならない。
一族の信条を、必死に自分に言い聞かせる。
そんな時、ぼんやりと遠くを見つめていた私の頬に、何か暖かいものが触れた。え、とそれを見やる。ガイさんの手だ。
その手が後頭部に周り、勢いよく引き寄せられる。
私の体が、ガイさんの腕の中に収まっていると理解すると、それよりも先に唇を奪われている事に気付いた。
「んぅ、ぅうっ!?」
思わず逃げようとする私の顎を掴んで、ガイさんが舌を挟み込んで来た。