第5章 【青春は、死ぬまで終わらない】
「恋を大切にする夢野一族の気持ちを尊重してやりたいが、オレはキミほど若くない。オレみたいなタイプが好きなら、リーはどうだ?」
アイツは真面目で熱血で、青春真っ只中だ。師匠のオレが言うのも何だが、良い男だぞ。
…そう言いながら笑うガイさんの姿に、私は体が熱くなるのを感じた。
お酒のせいだろうか?
いや、これは怒りだ。
私は手に持っていたグラスを、ドンとテーブルに置いてガイさんを睨み付けた。
「…あなたは…」
「お、おい、落ち着け…目が据わってるぞ」
「何から目を背けてるんですか?」
膝に手をやり、私は立ち上がる。
「私が知ってるガイさんは、周りから何と言われようと自分の気持ちを貫く人です」
その熱血さが煙たがれようと、あなたは芯を曲げなかった。
「私をよく見て。まだ成熟しきってないけど、あなたのためにお化粧も覚えたし、胸は小さいけど…綺麗でしょ?」
「…ああ…」
「それでも、私を拒むの?他に好きな人でも、…いるの?」
ガイさんを頭から見下ろす。
私の問いには答えてこない彼の真意が見えずに、僅かに拳を震わせた。