第4章 【ガイさんが、欲しいのよ】
「オレの事が、好き…だと…?」
密かに悔しがる私のそばで、ガイさんが驚愕に目を見開いて皆の顔を見つめる。
酸欠で全身が痺れて動かない私の体。
まじまじと見下ろされて、恥ずかしさと居たたまれなさに思わず呻く。
「あ…うぅ…」
「そういえばキミはどこかで見た覚えが…?」
「うぉおおいっっ!!!」
この人、日中にあれだけの告白をされときながら私の顔を覚えてないと抜かすのかっ!!
「ハハ…先生は人の顔覚えるのが苦手だから…」
テンテンさんの乾いた笑いに、思わずガイさんにツッコミを入れた私の手がぷるぷると震えた。
つまりだ、ガイさんの中ではあの告白は取るに足らなかった…それだけ私は眼中に無かったて事か…
私は座布団に顔をめり込ませて落ち込む。
が、そこではたと気が付いた。
一世一代の告白が彼にとって忘却の彼方なのは悲しいけれど、考えようでは白紙に返ったということ。
これは…再アタックチャンスなのでは…?
私は顔を上げて、珍しく動揺した様子のガイさんを見つめた。