第3章 【ガイさんを馬鹿にするな!】
傷心中で精神が不安定だった私は、怒りに任せて印を組む。
ガイさんと、ガイさんを愛する私を馬鹿にする者には、薔薇の鞭でお仕置きだ。
「覚悟なさい!いでよ!【女王様の鞭】!!」
私の足下に、どこからともなく土の塊が出現する。その豊かな土から、太い薔薇の蔦が何本も突出してターゲットに襲いかかる。
愛の鞭の威力を思い知れっ!!
半ば本気の私の術。
男は素早く襲い来る薔薇を目視すると、もう一人の女性を背に素早く構えを取った。
「回天!!」
全身からチャクラを放出。
僅か半回転の風圧とチャクラ量で、私の薔薇は呆気なく弾き飛ばされた。
こいつ…強いな…いや、ちょっと待てよ。
私の脳内にある、ガイさんデータブックが高速でめくられていく。
ガイさんの部下のデータリストの中に、回天を得意とする白眼の使い手が居なかっただろうか?
私はまじまじと黒髪長髪のその人を見やる。
目が白い。まじか。