ペリドットの向こう側【アルカナファミリア・デビト】
第1章 自棄酒
「また飲んでンのか」
「いいじゃん」
シャワーから戻ったデビト。
いつもしっかりとあげる髪は重力に逆らうことなく真っ直ぐ降りていた。
水滴がぽたぽたと落ちている。
きっとデビトの中で私は気を許した仲なのだろう。
いつもの眼帯は外されていた。
スボンは濡れてなかったのでそのまま履きなおしたのだろうが、上半身は裸。
結構、鍛えてそうな、感じだった。
ただの友達とか、言いながらも、この姿は少し色っぽいと思った。
「一口貰うぜ」
「グラス、出...っ」
ワイングラスを出そうと立ち上がった瞬間、彼の唇が私の唇に触れた。
触れるだけなんてモンじゃない。
何度も重ねあってから、じっくり味わうかのように口内を犯される。
妙に生ぬるい舌。溶けそうになる。
伊達に遊び人の称号を持っているわけではないようだ。
キスをしながら軽く目を開くとデビトはしっかり私を見ていた。
前髪で隠れた此方を見ることができないペリドットの瞳さえも私を映しているようだった。
なんか、とてもそれが心地よくて、そのまま溺れそうになる。
いや、溺れたいと言ったほうが正しい。