第8章 はじまりのカタチ
ワインを1本空け、更に予定通り、言ってたブランデーも半分くらい飲んだ。
飲めるねぇ、結構(笑)
ワイン3杯目くらいから、会話が自然になってきて。
特に共通の話題があるワケじゃないのに、スムーズに会話が流れる。
結構頭いい人なんだな、と思った。
会話のテンポがいい。
しかも、オレの仕事や個人的なことに関わる話には、あまり触れないようにっていう気遣いしながら喋ってる。
話し方が好ましい。
見てると、もうかなり酔いが回ってるみたいだ。
顔も赤らんでるし、目も潤んできてるし。
数分に一回、両手を頬にギューッと押し付けてる。
タイミングを見計らいながら、様子を見る。
まだ時間を気にする理性はちゃんと残ってるらしく、テーブルに置かれた携帯で時間を見て。
ひかり 「・・・・・・もうこんな時間。」
そろそろお暇しなきゃ、と立ち上がった途端、カクンと膝が崩れた。
翔 「大丈夫?」
腕を掴んで立ち上げさせる。
ひかり 「ありがとう・・・・・・・酔うと足に来るから(苦笑)」
椅子に腰かけて、膝下をさすってる。
(渡りに舟じゃん。)
立ち上がって、彼女を抱え上げる。