第1章 初対面のカタチ
せめて浮かないようにと、滅多に着ないようなワンピースを着て、美容院にも行って。エステにも行った。
でも、芸能人のオーラというものは半端ないもので。
ああいう世界でやっていける人たちっていうのは、濃縮した魅力を持っていて、且つそれを四方八方に放っている。
ある意味強烈な毒気に当てられてる気がする。
私なんて、壁の花にもなりやしない(苦笑)
物珍しくて面白いのは面白いのだけど、あまりに場違いで。
なので、ちょこちょこ廊下へ出ては息抜きをする。
「きゃっ!」
声がして振り向くと、パーティーのスタッフかホテルの従業員がしゃがんで片付けてる姿。
ワゴンで部屋から下げたグラスの山が崩れたらしい。
ひかり 「大丈夫ですか?」
スタッフ 「あ、お客様。お騒がせして申し訳ございません。」
ひかり 「拾うの手伝いますよ。はい。」
床に散らばるグラスを拾って手渡す。
スタッフ 「お客様、大丈夫ですので・・・・・あ、すみません。」
ひかり 「いいんです、いいんです。ちょっと息抜きしてるだけだから(笑)」
スタッフ 「申し訳ございません。大変助かりました。ありがとうございます!」
ひかり 「とんでもないです(^^)」
これだけの人数の集まりだもん。
スタッフとかも大変だよね・・・・。
でも、中で客としてぼんやり突っ立ってるよりも、そっちの方が気が楽でいいかも。
仕事しながら芸能人見れるもんね(笑)
ダメだ、バブリーな空気に慣れてなさすぎる。
THE 一般人な私(苦笑)