第5章 自問自答のカタチ
窓の外を眺める。
宝石が零れ落ちたような東京の夜景が広がる。
考えたら、こういう時間久しぶりだなぁ。
ふっと、肩の力が抜けて気が楽になった。
何だかよく分からない展開だったけど、結果こういう場所でお酒飲めたのは、それはそれでよかったかも。
頬杖つきながら、正面に見える東京タワーをぼんやり見つめる。
クラッチから携帯を出し、時間を見る。
飲み終わったら帰ろうかな。
今なら予定よりかなり早く帰宅できる。
立ち上がろうかとした時、背後に人の気配を感じた。
ゆっくり振り向くと。
翔くんがいた。