第2章 サヨナラのあとで
家の前の路地を子供が笑いながら駆け抜けて行く。
一人が戻ってきて、目の前にしゃがみ込む。
子供A 「これ、何描いてんの?」
智 「んー?何だと思う?」
子供B 「あ、これは角の家のコロでしょ!」
智 「当たり。」
子供A 「こっちは・・・・・あ、パン屋のおっちゃんだ(笑)」
智 「正解(笑)」
何、何~?と他の子供たちも戻ってきて、同じようにしゃがみ込む。
子供C 「すっげー上手い!」
子供B 「だろ~?!」
子供C 「おまえが描いてる訳じゃねーだろ(笑)」
子供A 「パン屋のおっちゃんなんてそっくりー(笑)」
私道にチョークで描いてる絵を楽しそうに眺めている子供たちの笑い声が嬉しくて、次々と描きなぐる。
ひかり 「智。」
子供たちの後ろから声がする。
智 「おう。」
ひかり 「何してんの?(笑)」
智 「落書き(笑)」
子供たちが一斉にひかりの方を振り向く。
子供B 「おねーちゃん、にぃちゃんのカノジョ?」
ひかり 「ふふ。どーでしょう?」
わーい、カノジョだってー!と笑いながら、子供たちは路地を走って行った。
微笑みながら見送った後、
ひかり 「風が冷たくなってきたよ。家に入ろ?」
ひかりに背中を押されて、家の中に入る。