第5章 sugar and salt (R18?)
ひかり 「どうかな。」
新聞をチェックしてると、ひかりが側に来た。
結局ワンピースは醤油の匂いがするので、俺のジーンズ穿いて帰ることにするって。
ひかり 「借り物っぽい?(苦笑)」
翔 「えー、問題ないんじゃね?大丈夫と思うけど。」
ひかり 「これぞ、まさしくボーイフレンドデニム(笑)」
ちなみに、インナーのTシャツも俺のだけどな(笑)
その上にツィードジャケットを羽織ると、普通に雑誌とかに載ってるようなコーディネイトになった。
へぇ。 案外メンズでもいけるもんだなー。
ひかり 「じゃ、帰るね。」
翔 「ん。また連絡するわ。」
ひかり 「・・・・・・。」
黙ってこちらを見つめる視線。
翔 「何?(笑)」
ひかり 「ん?スーツ姿、かっこいいなーと思って(笑)」
ふわっと近付いて、キスされた。
すぐに離れて、照れ隠しのように口角を上げる。
その顔につられるように笑って、左手が伸びる。
人差し指を軽く曲げ、第2関節で微かにひかりの耳の裏側に触れる。
笑顔がほころび、「またね。」とひかりは帰っていった。
打ち合わせやリハの隙間の休憩時間。
待ち時間。
四六時中って訳ではないのだけれど。
耳馴染んだメロディが吹き抜けるように、彼女のことが、彼女とのことが浮かんでは消える。
窓の外の空を見上げながら、今何してんのかなと思う。
昨夜の、今朝の、二人の出来事の記憶の中を泳いでる。
それは、左手の人差し指に残る感触。
甘く、甘く、時々辛い、恋人の記憶。