第5章 sugar and salt (R18?)
店でジャケットを脱ぐと、白い肩や腕、背中にどうしても目が行く。
・・・・普段も、たまにはこういう恰好してくればいいのに。
撮影であったことをジェスチャー加えながら説明していたら、その手が引っかかって醤油皿がひっくり返った。
醤油がワンピースに飛ぶ。
翔 「あ!ごめん!!やっべ、シミになる?」
ひかり 「大丈夫、クリーニングにどうせ出すし。黒でよかった(笑)」
翔 「俺んちのマンション、クリーニングサービスあるわ。それに出しちゃえば?」
ひかり 「着て帰る服がなくなる(苦笑)」
翔 「俺のジーンズ貸してやるよ。」
ひかり 「えー、サイズが合わないよ(笑)」
笑った後、真顔になって。
まるでデータを取り出すように考えて。
そして口を開く。
ひかり 「・・・・・・穿けるかも。」
それ。
今何と比較した?
何と比較して穿けるかもって思った?
探るようにひかりを見る。
ん?って顔して、こちらを見てる。
何の罪悪感もない、柔らかく甘い視線。
だけど、俺にはほんの少し、一抹の辛さが混じった味がした。