第5章 sugar and salt (R18?)
左手の人差し指。
意識しないと、つい口元に運んでしまう。
翔 「思ったより早く撮影終わったんだけど。そっちは?」
ひかり 「もう終わって、今残ってる友達と喋ってるとこ。」
翔 「んじゃ、タクシーでそっち寄って拾おっか。」
ひかり 「ありがと。近くになったらまた連絡して。」
翔 「了解。」
23時少し前。
眠らない街を絶えず行き交う車の流れに紛れながら、タクシーは待ち合わせの場所に滑り込む。
街灯の下のひかりが、タクシーに乗り込む。
ひかり 「おつかれさまー。」
翔 「おつかれ。俺、腹減ってんだけど。」
ひかり 「私、空いてない(笑)」
翔 「2次会後だもんな(笑) 何か食ってもいい?」
ひかり 「いいよ。何食べるの?」
翔 「んー・・・・」
何気に、ひかりの姿に目を滑らせる。
ツィードのノーカラージャケットの下に、滑らかな感触のワンピース、ハイヒール。
こういうフォーマルっぽい姿を見ることないから、新鮮。
せっかくなら、こういうのが似合うところに連れて行きたいけど。
・・・・・・俺、完全に普段着(苦笑)
翔 「寿司、とかどう?」
ひかり 「入る(笑)」
翔 「寿司も別腹かよ(笑)」