第4章 P・A・R・A・D・O・X (R18)
あの夜から幾度となく月明かりの下でひかりを抱き、それぞれの日常に戻る朝を迎えてる。
腕時計が時を刻む中、ずっと最中(さなか)のひかりが纏わりついて離れない。
露わなほど鮮やかな、それでいて儚い記憶と身体の火照りの狭間で快感が蘇る。
記憶の先に視線を巡らせると、窓枠に伸びる影。
影の先端には裸で絡みあう二人。
――――その彼方にあるものは?
パラドックス。
矛盾。
逆説。
恋愛なんて、つまりはそういうもんだ。
真理はどこに?
真理は彼女の中に。自分の中に。
そこにしか、ないだろ。