第1章 愛を歌おう
部屋に帰って、二人並んでビール飲んでても、何だか会話が上滑りしてる感じ。
お互いもう、さっきのはなかったことにしようと時間を進めてるのに、違和感は後ろからずっと付いてくる。
(せっかく久しぶりに一緒にいるのに。)
お互いそう思ってるのも確かで。
こんなまま今日が終わるのはイヤだな・・・、って思ってるのも確かで。
でも、うやむやにし過ぎて、今更戻してってのも出来ないし。
まずもって、どうやってやり直ししていいのやら(苦笑)
ふいにひかりが立ち上がった。
翔 「え。何?」
ひかり 「え?トイレ。」
トイレか。
怒って帰るのかと思った。
・・・・・・・かなり、動向気にしちゃってねぇか?俺(苦笑)
だって、そんなことで機嫌悪くなるなんて思ってなかったし。
大体いつもそんなこと言わねーじゃん。
そういうことしないの知ってるから。
・・・・・・・どーしたら、機嫌直んのかなぁ。
はーーーー・・・・・
もういい加減機嫌直しなさいよ、私。
「やっちゃったな。」って、気にしてくれるだけでもいい方だって。
いい大人なのに、もう。
ほんとイヤになる、自分のこういうところ。
部屋に戻ったら、ちゃんとしよう。
リビングに戻ると、TV観ながらビール飲んでる翔の後姿が、何かちょっと淋しそうというか。
どうしたらいいのかなー、って困ってるように見えた。
そうだよね。
あんなところで、手なんて繋げないよね。
変なこと言って、それで拒否されて不機嫌になってごめんね。
そーっと後ろから、肩に腕を回してハグする。
ごめんね。
大好きだよ。
そんな気持ちを込めながら。
何か悔しいから、言葉にはしないけどね!(苦笑)