第4章 P・A・R・A・D・O・X (R18)
境界線で必死に抵抗する彼女を唇で、掌で、指で攻め立てる。
拒絶する言葉と裏腹に、腰が俺を引き寄せる。
苦悶と快楽が混ざり合った表情が、抑えきれない感情を湧き起こす。
もう我慢すんなって。
徐々に体温が上がる。
じんわりと汗が滲んでくる。
体温が重なり、自分のタバコと香水の匂いが彼女の首筋からたゆたう香水の香りと合わさって、揺らぎ立つ。
懸命に口を押えてるその手を外してやる。
声出して。
感じたままに。
思いのままに。
溢れ出た声が封印を破る。
揺さぶる腰が誘い、捉える。
打ち付ける動きが自己矛盾を木端微塵に砕く。
鼓動が加速し始める。
渦の中に吸い寄せられる。
もっと欲しがって。
他の人じゃダメと言って。
いっそ壊してしまおうか。
絡まって、絡まって、揺さぶって、一晩中頂上へ。
罪の重さが甘さを盛る。
ふと見上げた窓の外、暗い夜空から覗いてる誰かの目。
上弦の月が二人を見てた。
人差し指を立てて、そっと口元に運ぶ。
内密に。