第32章 雨は止む
思いっきり抱きしめて、慰めてあげたい。
あわよくば、青城に来てなんて言ってしまいたい。
そんな気持ちをグッと抑え、俺は言葉を紡いだ。
及「…楓ちゃんはさ、どうしたいの?」
『………え?』
及「楓ちゃん…こんな私がって言ってたけど、そんなことないと思う」
目を見開く楓ちゃん。
及「烏野の奴等さ、そんなこと思ってないでしょ。楓ちゃんマネ業ちゃんとやってたじゃん?」
俺は楓ちゃんの頭を優しく撫でる。
及「ほんとに…辞めたままで、何も言わなくていいの?………後悔しない?」
楓ちゃんの瞳が揺れた。