第32章 雨は止む
及「ところでさー、楓ちゃんなんか隠してるよね?」
『ゴフッゲホゲホ』
徹さんがいきなりそんなこと言うからむせてしまった。
そんなことないですって言おうと口を開く。
でも、ジッと見られ嘘はつけないと思い本当のことを言った。
『実は…部活辞めたんです。5日くらい前に』
及「え…っ!?」
徹さんは私の言葉に目を丸くした。
及「なんで辞めたの…?」
辞めた理由を説明するとなると、過去の話をしなくちゃならない。
この話をするのは結構辛い。思い出すから…。
でも…徹さんは学校も違う私に優しくしてくれて、好きだとも言ってくれた。
『徹さん、聞いてくれますか?』
小さく頷く徹さん。
私はそっと過去の話をし始めた。