第31章 言葉の後悔
『っ…』
口を押さえても、言ってしまったことには変わりはない。
後悔しても……もう遅い。
『っ離して…((影「っ楓」離してよ!!!』
私は飛雄の手を振り払う。
その時、パシンッと手を叩いてしまった。
大事な、大事な手を。
私は皆の顔を見ずに扉を開け外に出た。
靴を履き、走り出す。
外には雨が降っていた。
『っはぁ…はぁ…う、あ"ぁぁ…っ』
雨が私の体を濡らす。
走っちゃいけないのに…私は今、走ってる。
そのせいで足が痛い。ズキズキと痛んでる。
でも、そんなの関係なかった。
無我夢中で走った。
こんな痛み、どうでもいい。
足の痛みよりも…………心が痛かった。