第1章 私の脳内回路はショート中
「それにしても、アンタの容姿は、人目につきすぎる。後で、帽子とサングラスをやるから、それを肌身離さずつけるこったね。どうせ、その容姿のせいで、追っかけられてたんだろう?安心しな。アンタを男共に突きだしゃしないよ。いつもだったら、金儲けになるからね、そうするが、アンタは、覇気が使える。覇気使いは、そうそういないからね。」
良い拾い物をした、とおばあさんは、かなりご機嫌である。だから、アンタもあまり遠慮するな、ということらしい。
え゛えぇぇーーー!?
ハルヒは、心のなかで絶賛、絶叫中である。おばあさんは、かなり穏やかに話していたのだが、話後半の内容がなんとも穏やかではない。自分は、覇気が使えなければ、ゲロ野郎のところに逆戻りだったらしい。
サァーーっと顔から血の気がひいていく。ハルヒは、かなり危ない橋を渡っていたことに今さら気が付いた。渡り終わってから気づくとは、なんとも間抜けというか、なんというか。
確かにハルヒにとって良い方に転んだが、本屋に入る、ということはかなり大きな賭けだったらしい。しかも、おばあさんの発言内容は、本屋の店主らしからぬものがある。ここは、本当に本屋なのか。ハルヒは、おばあさんに聞いてみた。
「一応、本屋もやってるけどねぇ。こんな島じゃ本を読む奴は少ない。儲からないんだよ。だから、いつのまにか副業が本業みたいになっちゃてね。今じゃ、アタシャ、立派な情報屋さ。」
ハルヒは、卒倒しそうになった。海賊に追いかけられている女が一番、入ってはいけない場所に自分から飛び込んでしまった気がした。否、きっと気のせいでは、ないだろう。いつのまにか使えるようになっていた覇気にハルヒは、心から感謝した。
「そういえば、アンタの名前、聞いてなかったね。アタシャ、バージェス・D・グレースだ。アンタは?」
「香川 ハルヒです。」
「そうかい、これからよろしく頼むよ。」
こうして、ハルヒの新しい生活が始まった。