第1章 平成学園
お父さんの喫茶店を出ていつもの6人でどこへ行こうかと歩いていると
「あれー?平成学園の方々じゃないですかー?」
といかにも不良って感じの高校生たちに絡まれる。
こいつらどこ高だろ?
「だれだ?てめぇら」
と先頭にいた宏太が返す。
「あ、よくみたら高等部の制服でしたね。まあ、いいでしょう。オタクの後輩さんたちがね3日前くらいにうちの仲間がやられたんですよね?」
十何人かの同じ制服をきた男子生徒たちがわたしたちを囲む
後輩?
涼介たちだろうか。
「どーせ、お前らが喧嘩売って返り討ちにあっただけだろ」
ふっと鼻で笑う宏太。
「あいつらは意味のない喧嘩はしねーよ!」
と続く雄也に
「意味のない喧嘩?俺ら不良にとって意味のない喧嘩なんてあるんですか?」
と言う相手の頭らしき人
「強さを証明する。それが俺らの喧嘩だろ?」
としたっぱの中1人。
「平成学園の先輩方にはけじめをつけてもらわないと」
やる気まんまんの男たち
これは免れることはできないかな。
「宏太。」
わたしが声をかけると
「しょうがねーな。聖奈。お前は手出すなよ。」
宏太のその言葉に5人はわたしの周りに背を向け
守るように円をつくる
喧嘩できないわけじゃないけど
わたしをなるべく喧嘩させないようにしてくれる宏太。
これは昔からで
宏太の優しさ。