第1章 踏み出せない一歩
私には大好きな人がいます。
その人は意地が悪くて、他人を見下すような態度をとる最悪な人。
でも、自分の才能に驕り高ぶらず冷静にゲームを作っていく。その横顔が誰よりもカッコいい人。
おまけに料理が上手で、調理実習で何度か助けてもらったこともありました。
姿が見えるだけでドキドキして、目が合ってしまえば反射的に逸らしてしまう。
この感情はとっくのとうに友情を超えてる。
でも、この気持ちは絶対に伝えられない。
だって、彼は私を数少ない友達だって言って、嬉しそうに笑うから。
だから、私はいつだって仮面を被って笑いかけるのですーーーーーー。