第1章 潔癖症ポニイティル
「…ーーーーそうだな、当ててやろうか。家族構成は女所帯。その緩みきった表情、優柔不断な仕草。巨乳フェチで今だにマザコンが消えない甘えただろう。年上好きで自分自身も年上の好かれ方を心得ている。…そして、特殊性癖は腹ボテAV好きか。」
「フォアアアアア!!?嘘です!みなさん!おおおおお前ええ何言ってくれてんだチキショー返せ!」
ハンカチを使いひふみの携帯を見たクエストはひふみが取り返そうとしたのをすいっと避け、ランクに携帯の画面を見せた。
「あら……ひふみくんにはそんな性癖が。」
画面を見た彼女は瞬きした後、眉を下げ笑う。そこでそんな事を言うと余計あられもない噂が真実味を帯びてしまう。そう焦りながらひふみは反論した。
「俺は、FBIになってこの人みたいにーーー…」
「FBI?お前みたいな、死体を見ただけで嘔吐するような被害者の気持ちを汲み取れないやつなんてFBIに必要ないぜ」
「!そんなつもりは…」
「つもりはなくともそう見えるんだよ。お前がなんの為にココに入ったのか知らないが、いじめられっ子の考えそうなことだ。自分と同じ目に合う子供を助けたいとかそんなところだろ?」
ひふみの言葉でより険悪な雰囲気になった二人をみてクエストの後ろに居るランクは少し心配そうにクエストを見ていた。そんな彼女を少し振り返りとんっと机から飛び降りた。
「安直だな。そして甘すぎるぜ。変態日本人はせいぜい変態仲間と仲良くしてろって。」
「だから違うって言ってるだろぉおおおおおお!!」
そう言って伸ばした手はクエストの後ろについて行くランクの手を掴んだ。
「ランクちゃん…だったか?クエストと仲がいいなら今のを撤回させてくれ!」
「ッ…!」
ひふみに手を掴まれた瞬間、ランクは怯えた様な目をした。ひふみがそれにひるんだ瞬間、戻ってきたクエストが掴んだ手を振りほどきランクを自分の元へ連れ戻しぎっとひふみを睨みつける。しかしなにも言わず手を引き、二人は去って行った。
(なんやあいつら…ランクちゃんかてそんな怯えんでええのに…)
一人残されたひふみは同じ様に人生をおじゃんにされた2人が声をかけるまで呆然としていた。