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【QUEEN】潔癖症と犠牲心

第8章 共謀犯の嗅覚


「なんで伊達メガネなんてしてたネ?」

眼鏡をなくして戸惑っているひふみにテンが尋ねる。

「…スイッチ代わりなんだ。眼鏡をすると身が引き締まるって言うか…」
「フーン…してることに気がつかないんじゃスイッチじゃないネ。」

その言葉にぐさりときたひふみだったが、人の目が怖くてかけ始めたひふみは自分が成長したのではないかとも考えてうれしくもあった。となりに座っていたテンはしびれを切らしたように立ち上がる。

「それにしてもクエスト遅いネ!ランクが迎えに行ったのに…またジョーカーとか言う捜査官に捕まっているカ?!」
「確かに…。俺たちがここに来て一時間、ランクちゃんが行ってもう40分経つ。少し長すぎる気はするな…」

時計を見ながら言ったひふみに、ダイアナが溜息をつきながら眉をひそめる。

「…クラブの取り調べは一番長いのよ…。」
「クラブ?」
「そう。すごく熱くてまっすぐな捜査官よ。でも一度疑い始めるとなかなか曲げようとしないの。はじめからクエスト君の取り調べは自分がやるって言い張ってたから本当に疑ってるんだと思う。でも大丈夫よ!現段階でジョーカーはクエスト君達を疑ってないから、あの人何を考えてるのか読めない人だけど信じてあげて。」

クエストが疑われていると聞き、衝撃を受けた二人にダイアナはそう言って、ソファーから立ち上がる。彼女が去って行ったあと不服そうにすわったテンに、ひふみは問いかけた。

「なあ、テン。クエストってアカデミーに入ったころからすでに女装してたのか?」
「そうよ?理由は知らないけど。急にどうしたネ?」
「…いや、あいつ女装癖の割りに口調も仕草も男っぽいし、なんで女装してるんだろうって。」
「そんなの決まってるネ、単に女装が好きなだけで性同一性障害ではないからヨ。」
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