第4章 死体の苦手な殺人犯
そう言ってランクに目配せをし、椅子から立ち上がる。ランクも座っていたベッドの淵からひょいっと立ち上がりクエストの後ろを付いていった。扉まで歩いていくクエストにひふみが声をかける。
「待てよクエスト!お前こそなんでそんな拒否するんだ?さっきの大男、あいつからお前を助けてくれたのもあの子なんだろ?このこの子の事何も知らずにつっかえすのはどうなんだ。まずは信じろよ!それからでも遅くないだろ?!」
そう言ったひふみに、クエストは諦めたかのように首を傾けた。
「…わかったよ。この四人だ。この四人でチームを組もう。悪かったなあんな事言って。ただー…テメェにはちょっと話がある。」
そう言ってひふみのネクタイをぐいっと引っ張って行ったクエストの後をランクは慌てて追いかける。
「…ランクはここで待ってろ。」
「う、うん…」
待てと言われても気になるものは気になるのだ。しかし2人が入った場所は男子トイレ、入ってしまうのは忍びない、かといって前でウロウロしているのも不審だが。
2人が話している内容は何と無く解る気がする。ひふみは他人を信じすぎなのだ。普段ならいいだろう、しかし、これは殺人事件なのだ。誰が犯人かわからない中であまりに危険すぎる。仲の悪い二人なのだ、予想通り中からは言い争う声が聞こえて来てつい苦笑いが零れる。
「どうしてさっきは俺を信じてくれたんだよ。幼なじみじゃなくあるんだろ。俺を信じる根拠が。」
「…死体の苦手な殺人犯なんて聞いたことないだろ?」
「じゃあランクちゃんは?」
「あいつは…僕とずっといるからな。いいから現場を見に行くぞサイトウ」
「(ずっと一緒にいるから…?クエストにしては根拠が薄いな)」
そう何処かに引っかかりを感じつつも部屋にもどるクエストにひふみは着いて行くしかなかった。