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道化師恐怖症。

第32章 その毒林檎、一口ちょうだい




「私がここに居ること
西崎さんに聞いたんでしょ?
ってことは連絡とれるんだ。簡単じゃん」

「…まぁ、可能だけど」

「おっけー。よろしくね」

「俺たち今日わざわざ来たんだよ?
このまま帰れって言うのか」

「誰も来てなんて頼んでないけど。
そっちが勝手に会いに来ただけだろ」


いつもと違う口調。
なぜか俺の身体が少しビクッとした

今どんな顔をしてるのか
こっちからじゃ見えない


「どうせ謝罪か一緒に頑張って行こうとか
そんなチープな言葉でしょ。
わざわざ今聞くまでもないかなって」

「な、何様だよ!!」

「私は幸村くんと喋ってるから。
あと何様?こっちの台詞だよ」


蒼先輩の低い声に
丸井先輩は静かになってしまった

部長も黙ってる


「連れてこれば会ってくれるんだね」

「そう言った。以上」


それだけ言って
蒼先輩はこっちに戻ってきた

なんとなく顔が
生き生きしているように見える


外からは足音が離れていく音
諦めて帰ったのか


「蒼…大丈夫?」

「西崎さんとは最後に決着
つけないとだからね。楽しみ」

「蒼先輩…」

「赤也くん、私は本当に
君が思ってるようないい子じゃないから」


嫌いになるかもよ?
そんな風に言ってるように聞こえた


「いいんです!
それでも俺は蒼先輩が好きです!」

「!…ありがとう」


照れたようにはにかむ先輩

こんなに可愛い人、そんな嫌いになんて
なれないと思う





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