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トワイライトメモリー 【白】

第4章 もう一人のお姫様


「…………?」


どういうことだ……?
不思議に思いとりあえず近くを通りかかった男子生徒に声をかけた。


「なぁ」
「へ?…………?!」


男子生徒はこちらを振り返り、俺を見た瞬間ぎょっと顔を引き攣らせる。


「…………荒瀬……さん」


だからなんで名前知られてんだ俺は。
しかもさん付け。

まぁこの際細かいことは置いておく。


「……椎名……どこに行ったか知らないか」
「椎名さんなら……前の体育の授業で頭を打って、保健室に……」
「…………は?」


頭を打ったと聞いて、サッと血の気が引いた。


「大丈夫なのか?!」
「あ……ハイ……一応大したことは……ないらしいです…………」


俺の剣幕にビクビク怯えながらも男子生徒はそう答える。
それを聞いて俺はすぐにでも保健室に……と思ったのだが、


「…………保健室どこだ……」


自分の教室と屋上くらいしか行かない俺に、保健室の場所なんてわかるわけなかった。

…………八尋まだ教室に残ってるかな……

頭をポリポリかきながら男子生徒にお礼を言って自分の教室に引き返そうとした時、


「ちょっと、雅人」


見知らぬ女子生徒がこちらに近づいてきた。

彼女は俺の前で縮こまっていた男子生徒に声をかける。


「いつまで待たせるのよ。勉強会するんでしょう?」
「あ、うん。えっと……」


そこで男子生徒がこちらをチラリと見る。
その視線を追って女子生徒も俺の存在に気づいたようだ。



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