第2章 白雪姫
4限目の授業開始を知らせるチャイムが校内に響く。
その音をどこか遠くに感じながら、俺はゆっくりと目を開けた。
ボーッとしている内に寝てしまったらしい。
そこは誰もいない屋上。
もちろん授業はサボりだ。
入学式以来俺はほとんどここで授業をサボっていた。
まともに授業を受けたのは、おそらく片手で数えるほどだろう。
出席したと言ってもほとんど寝ていたため、内容は全く覚えていない。
サボる時は必ずと言っていいほどこの屋上にきていた。
気温がまだそこまで高くないため、昼寝をするには絶好の穴場だ。
ゆっくりと目を閉じれば、さっきまで爆睡していたというのにまた眠気が襲ってきた。
暖かい日差しが心地いい。
体育の授業でもやっているのか、グラウンドの方から生徒の声が聞こえる。
その声に耳を傾けながら、俺は少しずつ意識を手放した。