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君には菊がよく似合うよ。【薄桜鬼】
第1章 1
「そんなに綺麗なの?あれ」
「ええ、とても」
「ふうん、別にただいっぱい花が付いてるだけにしか見えないんだけど、さ」
指で涙を拭うと、ほんの少し温かみを持つ液体に
少し心臓が早鐘を打つのを感じた。
狡いよね。
泣かせたかったのは確かなのに
僕じゃないものに泣かされるなんて。
少しばかり悔しさがこみ上げてくるが、
幸せそうに泣くこの子を
今独占出来るのは僕だけで、
ここまで導いたのは僕なのだという事実が
ほんの僅かでも心を燻る。
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