第2章 パーティー
翔はだいたいの貴族関係者を把握した所で興味は失せてしまった。
ゼンは仕事で離れ、壁際で翔と百合根はジッとして居るしかなかった。
そこへ1人の王子が挨拶に来た。
百合根は少し緊張した顔で背筋を正すが翔は相変わらず気分を悪くしている。
2人の前に現れたのはアルタリア王国のロベルト王子。
そして彼の後方に控えているのは執事のアルベルト。
ロベルト:「君達がもしかして日本から来た客人かな?」
百合根:「あ、はい。日本から来た百合根友久と言います。こちらが青山ユリです。」
翔:「・・・・」
ロベルト:「どうも。僕はロベルト。君具合悪そうだけど大丈夫?」
翔は子供の様なあどけない表情でロベルトを見た後百合根に向って。
翔:「僕やっぱり帰って良い?」
と言い放った。
翔の真っ青の顔色が今度は百合根に移る。
そんなロベルトは目を見開き
ロベルト:「えっ!?君男の子なの!?」
ロベルトの言葉に近くに居た貴族達の目線が百合根達に集中する。
勿論、その視線は翔に向く。
そこへ何事かと他国の王子達が集まって来た。
ウィル:「騒がしいな・・何事だ?」
ウィル王子とエドワード王子、グレン王子、ジョシュア王子、キース王子とわらわら集まり益々翔は居心地悪くする。
アルベルト:「ロベルト様、声が大き過ぎます」
ロベルト:「ああ、そうだね。ごめん・・でも君何でそんな格好を?」
百合根:「あのこれには訳が・・じゃなくて彼女はれっきとした女性です。ただ・・色々深い訳が・・」
ジョシュア:「フン 女なら今後言葉遣いに気を付けるべきだな」
キース:「全くだ。初めて見たぞ。男言葉を使う女」
しかし彼らの話しなど無視して百合根に
翔:「キャップ僕もう帰る」
百合根:「えっ!?待って下さいよ!翔さん!」
ロベルト:「あれ?ユリちゃんじゃないの?」
ところが入り口は人混みで遮られ近づけそうにない。
困り果てた翔の元にゼンが戻って来た。
ゼン:「こちらに居られましたか」
百合根:「どうかしましたか?」
ゼン:「はい、ノーブル様がお会いしたいと・・」