第3章 ウィル王子編
ゼン:「あの百合根様・・」
百合根:「はい」
ゼン:「青山様を最初にご案内した部屋にお連れして宜しいでしょうか?」
百合根:「ええ、大丈夫だと思います」
翔は最初に用意されていた綺麗な部屋のベッドに寝かされ医者に診て貰った。
発作を抑える為の薬を持参していたが今は医師の処方箋を貰った。
発作が治り意識を取り戻した翔は起き上がりポカンとしている。
翔:「あれ?ここどこだっけ?」
百合根:「何処ってノーブルミッシェル城に決まってるじゃないですか!」
翔:「そういう事を言ってるんじゃないよ。何故僕がこんな綺麗な部屋のベッドで寝てんのかって聞いてるの。此処ってもしかして最初に案内してくれた部屋?」
ゼン:「左様でございます。青山様が廊下で倒れられていたので急いで医師に診て貰う為、近くの部屋にご案内させて頂きました。」
翔:「そういう事・・。ごめんね。迷惑掛けちゃって・・」
まさか謝る言葉が翔の口から出て来ると思わずゼンは目を見開き笑顔を返す。
ゼン:「迷惑など・・翔様に大事に至らなくて良かったです」
ウィル:「申し訳無かった・・」
翔:「へ?」
ウィル:「君が男性恐怖症だったとは知らなくてダンスに誘ってしまって・・」
翔:「ああ・・気にしないで。平気だったみたいだし・・それと発作は関係ないよ?」
ウィル:「それなら良いんだけど・・」
翔とウィルの会話に眉間に皺を寄せピクピクしている人物がいた。
クロード:「・・・・」
ウィル:「それじゃあ僕は君に触れても平気?」
翔:「うーん・・多分・・?」
クロード:「青山様!先ほどからウィル様になんと言う言葉遣いを・・!!」
百合根:「もっ申し訳ありません!!青山の指導が行き届かず・・彼は秩序を嫌う人間です。どんな目上の方でもああ言う言葉遣いなんです!どうか多めに見てあげて下さい!」
そう言い百合根はクロードに頭を下げた。
クロード:「そう言われましても・・」
ウィル:「クロード・・俺は気にしていない。それに彼女の病なんだ。大目に見てやれ」
クロード:「はぁ・・」