第2章 にーい
「御免!
バラとやらは置いて有りまするか!」
某、花屋は初めて来たでござる。
店員がなかから出てきました。
「申し訳ありません
たったいますべて売り切れてしまいまして...」
「そうか。買い取った相手の連絡先は
頂けまするか?」
某は考えるよりも先に
そう聞いていた。
店員殿は驚いておられたが
手で某の右側を示し、「あちらの方です」と
申された。
確かにバラの花をたくさんもっておられる。
「恩に着りまする。そこの方!
暫し待って頂けまするか!」
店員殿に一礼して、バラを買い占めた客の
方へ足を急いで向けた。
「申し訳ないね。この花は全部使うんだ」
その方はそう言って車に花を詰めていた。