第14章 もう一度
黒子「そろそろ部屋に戻りますね」
穂波「…うん」
そんな名残り惜しそうな顔をしないでください。また理性が飛びそうになります。君の髪をそっと撫でてから立ち上がりました。君も続いて立ち上がりました。部屋を出ようとドアに手をかけた瞬間、Tシャツの裾を引っ張られました。振り向くと君が耳まで真っ赤にしながらうつむいていました。
穂波「…テツヤ君、合宿が終わったらまた、キス…してくれる?」
きみはどうしてそんなに可愛いんでしょうか。触れたいのを我慢して、なんとか理性を保ちます。
黒子「君がそんな風に可愛くおねだりしてくれるならいつでもします」
つい、本心が出てしまいました。君の顔がますます赤くなります。
穂波「じゃあ、約束」
小指を差し出されました。僕も小指を絡ませ指切りをします。やっと顔を上げて優しく微笑んでくれました。やっぱり君には笑顔が似合います。
穂波「また明日ね」
黒子「また明日」
部屋を出るとカントクが待っていました。
黒子「カントク、ありがとうございました」
リコ「もう大丈夫みたいね」
黒子「はい、ご心配をおかけしてすみませんでした」
リコ「まったくよ。もう泣かせたりしないようにね」
黒子「はい、もうそんなことはしません。本当にありがとうございました」
もう一度カントクにお礼を言って部屋に戻りました。