第11章 夏合宿
リコ「悔しいけど本当に美味しかったわ。黒子君が力説する訳ね」
後片付けをしながらカントクさんが話しかけてきた。
穂波「あ、ありがとうございます。あの…テツヤ君が力説って?」
リコ「臨時マネージャーならあなたがいいって譲らなくてね。黒子君がそんなに自己主張するのも珍しいし、火神君も賛成してたからとりあえずあなたに頼んでみようって話になったの」
テツヤ君てば…。でも力説するテツヤ君、見てみたかったかも。
穂波「でも私、マネージャーなんてやったことが無いので皆さんの足を引っ張りそうで…」
リコ「食事の支度をしてくれるだけで大助かりよ。…私が作っても美味しくないし、ね」
よく見るとカントクさんの手は絆創膏だらけだった。みんなのために練習してたんですね。
穂波「皆さん心配してらっしゃいましたよ?先輩にばかり負担をかけてるって」
リコ「選手が万全の状態で試合に臨めるようにするのが監督の役目よ。私は当たり前のことをしてるだけ」
やっぱりすごい人だなぁカントクさん。
リコ「じゃあ細かいところは後で打ち合わせしましょ」
穂波「はい、よろしくお願いします」