第11章 夏合宿
穂波side
夏休みに入る少し前、テツヤ君に呼び出されて屋上へ行くとバスケ部の先輩達がいた。
穂波「あの、その節はお騒がせしてすみませんでした」
伊月「いや、それはいいんだけど。それより折り入って頼みたいことがあるんだ」
穂波「頼みたいこと…ですか?」
伊月「ほら日向」
日向「ああ、ウチの部は監督が女子なのは知ってるな?」
穂波「はい、この間お会いしました」
伊月「ウチの部にマネージャーはいないから、マネージャーの仕事もカントクがやってるんだ」
穂波「そうなんですか?それってすごく大変なんじゃ…?」
日向「ああ、だけどカントクはそんなそぶり一つ見せずにやってくれててな」
穂波「すごい人なんですね、カントクさんって」
日向「ああ、それは感謝してるんだが一つ問題があってな」
穂波「問題…ですか?」
伊月「夏休みに入ったら合宿があるんだ。今年は二回合宿をするから宿は格安の民宿にしたんだよ。だから食事は全部自炊なんだ」
穂波「もしかして食事の支度もカントクさんがやるんですか?」
日向「ああ、本人はそのつもりでいる」
穂波「それってすごく大変じゃないですか!カントクの仕事にマネージャーの仕事に食事の支度までやってたらカントクさん倒れちゃいますよ?」
日向「俺達もそこが心配でな。皆で話し合って臨時マネージャーを募集することにしたんだがなり手がなくてなぁ」
伊月「それで君に頼めないかと思ってさ」
穂波「え⁈私…ですか?」
日向「マネージャーの仕事つっても練習に関わることのほとんどはカントクがやるから、ドリンク作ったりタオル配ったりする雑用と飯の支度だけでいいんだ」
伊月「どうだろう、やってもらえないかな?」