第9章 咲き初める雨
穂波side
「失礼しましたー」
はぁ、今日は厄日だ。いくら火神君が悪いとは言えあんなに長く練習中断されたら誰だって怒るよね。バスケ部の皆さんごめんなさい。…黒子君、ごめんなさい。
穂波「今日も雨かぁ…」
雨が降るとどうしても思い出してしまう、あの日のことを。
「一番大切には思えない」かぁ…。別に一番じゃなくてもよかったんだけどな。でも彼は真面目な人だから、好きな人のことは一番大切にしたいんだろう。だから「一番大切には思えない」私のことは好きじゃないんだ。
…考えると余計凹むからもう考えるのはやめよう。いっそ夕飯のおかず何にしようか悩んでいた方がはるかに建設的だ。そういえばお米無いんだった。あーもう雨の日に荷物重いとか最低。