第8章 蕾
彼女が出ていった扉を見つめていると、伊月先輩が話しかけてきました。
伊月「なあ黒子、もしかしてあの子と何かあったのか?」
伊月先輩、どうしてそれを。
日向「何かあったな、これは。黒子、先輩命令だ全部話せ」
小金井「え、もしかしてあの子黒子の彼女だったとか⁈」
黒子「小坂さんは彼女ではありません。…でも告白されました」
「「「「何ぃーっ‼︎こくはくぅーっ⁈」」」」
火神「お前ら一体いつの間に⁈」
黒子「でも僕は断ってしまったんです。今はバスケが一番大切だから、と」
小金井「なんてもったいないことを‼︎」
日向「とりあえずコガ黙れ。で、黒子、それからどうした」
黒子「彼女は笑わなくなりました。花が咲いたみたいに優しい笑顔でよく笑う人だったのに」
リコ「でもさっきあの子笑ってたわよ?」
黒子「はい、今日本当に久しぶりに笑ってくれました。みんなでワイワイやっている所を見て、告白する前のことを思い出していたんでしょう」
リコ「そうじゃなくて、黒子君が最初に声をかけた時、あの子笑ってたでしょ?」
あれはやっぱり気のせいではなかったんですね。
リコ「私にはすごく嬉しそうな笑顔に見えたけど?好きな人に話しかけられて」
黒子「…好きな人、ですか…」
君は今、僕のことをどう思っているんでしょうか。あんなにも深く君を傷つけた僕を。
土田「黒子は彼女のことをどう思っているんだ?」
黒子「僕…ですか?僕は…彼女が以前のように笑ってくれたらそれでいいと思っています。彼女には笑っていてほしいんです」
日向「黒子…お前なぁ…」
伊月「黒子、お前も本当はもうわかってるんじゃないか?どうでもいい子なら振ったからってそこまで気にすることもないだろう?」
黒子「僕は…」
僕は君に笑っていてほしい。あの優しい笑顔のままでいてほしい。そしてもし許されるなら僕に笑いかけてほしい。いや、僕だけを見て笑ってほしい。
僕は、君が
黒子「カントク‼︎主将‼︎」
リコ「日向君」
日向「しゃーねーなぁ。10分やるからとっとと行ってこい。んで土下座でもなんでもしてとっとと振られてこい」
リコ「職員室から昇降口まで遠いからまだギリ間に合うでしょ」
黒子「ありがとうございます‼︎」
僕は体育館から飛び出した。