第6章 巡り巡るもの
穂波side
集合時間まで後少し、最後に何か乗ろうということになってやってきたのは観覧車。律香…ホントお約束展開だよコレ。
火神「なんだよまた神原と乗るのかよ」
律香「えー何か言った?よく聞こえなかったんだけどー?」
穂波「火神君そんなに黒子君と乗りたいの?観覧車」
黒子「丁重にお断りします」
火神「何なんだよお前らのその団結力」
ごめんね火神君、ここは私の幸せのために大目に見て。
火神君と2人で観覧車に乗り込む直前に、律香が口の動きだけでこう言った。
「ガンバレ」
ありがとう律香、私頑張るから。どんな結果に終わったとしても。
「それではいってらっしゃい!」
係員のお兄さんに見送られて、観覧車はゆっくりと上へ移動する。
少しの沈黙の後、先に口を開いたのは黒子君だった。
黒子「小坂さんは高い所も苦手なんですか?」
いきなり何ですか⁈
穂波「高い所は平気だよ?むしろ見晴らし良くて好き」
黒子「それならよかったです。絶叫系は高い所から落ちるものも多いので苦手だったらどうしようかと思ってました」
穂波「心配してくれてありがとう。でもムダに重力がかからなければ大抵のものは平気だから」
黒子「ムダな重力、ですか?」
穂波「そう、私にとって絶叫マシンは人体にムダな重力をひたすらかけ続けるためのナニかにすぎないから」
黒子「そういう表現の仕方だと絶叫マシンは人体にものすごく悪影響を及ぼすものみたいですね」
穂波「実際悪影響を及ぼされてるもん」
ちょっと拗ねたように言うと、黒子君は私の頭をポンポンと撫でてこう言った。
黒子「感覚が鋭敏な人は絶叫マシンに弱いんだそうです。小坂さんは人より繊細なんですよ」
物は言いようですね黒子先生。でも子供扱いされたのにはムカつきました。